第100回全国高等学校野球選手権記念大会 準々決勝 第4試合
於 阪神甲子園球場 2018年8月18日 晴 15:58~17:45 観衆:40,000人 近江(滋賀代表)と金足農(秋田代表)による準々決勝である。近江は複数投手による継投、金足農は絶対的エース吉田を中心としたチームであり、チームカラーは互いに異なるといえるだろう。両チームとも、甲子園優勝経験がある高校に勝って準々決勝まで勝ち上がってきた。 以下は両チームの地方大会・今大会の勝ち上がりである。 【近江】 近江17-0能登川・長浜農(滋賀大会2回戦・5回コールド) 近江10-0甲西(3回戦・5回コールド) 近江5-1八幡商(準々決勝) 近江8-2近江兄弟社(準決勝) 近江8-4綾羽(決勝戦) 近江7-3智辯和歌山(甲子園1回戦) 近江4-3前橋育英(2回戦・9回サヨナラ) 近江9-4常葉大菊川(3回戦) 【金足農】 金足農2-0秋田北鷹(秋田大会2回戦) 金足農4-3能代(3回戦) 金足農7-0秋田商(準々決勝・7回コールド) 金足農7-4由利(準決勝) 金足農2-0明桜(決勝戦) 金足農5-1鹿児島実(甲子園1回戦) 金足農6-3大垣日大(2回戦) 金足農5-4横浜(3回戦) 先攻・近江 1.(中)木村 2.(遊)土田 3.(二)家田 4.(三)北村 5.(捕)有馬 6.(左)住谷 7.(一)山田 8.(投)佐合 9.(右)瀬川 後攻・金足農 1.(二)菅原(天) 2.(左)佐々木(夢) 3.(投)吉田 4.(三)打川 5.(中)大友 6.(一)高橋 7.(右)菊地(彪) 8.(捕)菊地(亮) 9.(遊)斎藤 試合結果は以下の通りである。 近江 000 101 000 =2 000 010 002×=3 金足農 [近] 安打:7 二塁打:住谷(4回) 土田(6回) 投手:佐合(4回)⇒林(4回1/3) [金] 安打:8 三塁打:菅原(天)(5回) 投手:吉田(9回) ■4回表(近江の攻撃) 両チーム、ランナーを出すも無得点で3回を終了した。無死から三番・家田がセカンドのエラーで出塁。四番・北村は右飛。五番・有馬が送って、2死二塁。六番・住谷の右線タイムリー二塁打で先制。 ■5回裏(金足農の攻撃) 近江はこの回から二番手・林が登板。無死から一番・菅原(天)が右中間三塁打で出塁。二番・佐々木(夢)のスクイズで同点に追いつく。 ■6回表(近江の攻撃) 無死から二番・土田が左線二塁打で出塁。三番・家田が送って、四番・北村の左前タイムリー安打で勝ち越し。3回戦・常葉大菊川戦で6打点をマークした四番が、ここ一番で勝負強いバッティングを見せた。五番・有馬は送りバントを試みるも小フライ。この打球をピッチャー・吉田がわざとワンバウンドで捕球し、併殺を完成させた。吉田のいわゆる「野球IQ」の高さを感じたプレーであった。 ■9回裏(金足農の攻撃) 互いにランナーを出すも得点には結びつかず、迎えた9回裏。横浜高校戦で逆転スリーランホームランを放った、六番・高橋が無死から左前安打で出塁。七番・菊地(彪)も左前安打。八番・菊地(亮)は四球で無死満塁。九番・斎藤のスクイズで三塁ランナー・二塁ランナーともに生還(サードの一塁送球の間に二塁ランナーホーム突入)。ツーランスクイズで試合終了となった。 今大会最後の観戦であったが、最後の最後が劇的な試合となった。吉田のピッチングもさることながら、9回裏の高橋・菊地(彪)の連続ヒット、斎藤のスクイズ、菊地(彪)の走塁という一連の攻撃にこのチームの底力を見た。満塁でフォースプレーになるため、スクイズのサインを出しにくいシーンであるが、中泉監督もよく選手を信頼してサインを出したと思う。対する、近江としては8回、9回と連続して無死一、二塁から得点できなかったのが、結果的に痛かったといえるだろうか。とはいえ、大会屈指の好投手・吉田から得点するのは容易なことではないから、それは結果論にすぎないという見解もあるだろう。 金足農のエース・吉田はこの試合でも10奪三振で4試合連続二桁奪三振という大会タイ記録をマークした。大垣日大戦、横浜高校戦、そしてこの近江高校戦と3試合を観戦して、ここぞという場面でのギアの入れ方が本当に素晴らしかった。やはり、馬力が並の投手とは違うのだろう。さらに、ピッチングだけでなく、フィールディング・バッティングの良さも随所で見られ、野球センスの高さを感じた。今後の活躍を大いに期待したい。
金足農はこの後、決勝戦まで勝ち上がり、準優勝に輝いた。金足農・吉田の投球過多を危惧する声が多く見られるが、その議論は各方面に任せるとして、金足農がこの100回大会で多くの人々の記憶と高校野球史の記録に残る戦いを見せたという事実は変わらない。優勝した大阪桐蔭の史上初となる二度目の春夏連覇もあっぱれ。金足農の第1回大会(秋田中)以来となる103年ぶりの秋田県勢準優勝もあっぱれ。この100回大会に見事、甲子園出場を果たした全ての高校に惜しみない拍手を送りたい。
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by hi90209
| 2018-08-24 18:01
第100回全国高等学校野球選手権記念大会 2回戦 第3試合
於 阪神甲子園球場 2018年8月12日 曇時々晴 13:42~16:39 観衆:42,000人 済美(愛媛代表)と星稜(石川代表)による2回戦である。両チームとも1回戦からの登場で、既に甲子園で1勝を挙げている。 以下は両チームの地方大会・今大会の勝ち上がりである。 【済美】 済美6-0川之石(愛媛大会2回戦) 済美5-1八幡浜(3回戦) 済美8-4川之江(準々決勝) 済美8-1今治西(準決勝・7回コールド) 済美8-2新田(決勝戦) 済美5-4中央学院(甲子園1回戦) 【星稜】 星稜10-0金沢辰巳丘・金沢向陽・内灘(石川大会2回戦・5回コールド) 星稜9-0小松市立(3回戦・7回コールド) 星稜5-0小松大谷(準々決勝) 星稜7-0金沢商(準決勝・7回コールド) 星稜22-0金沢学院(決勝戦) 星稜9-4藤蔭(甲子園1回戦) 先攻・星稜 1.(左)東海林 2.(一)河井 3.(遊)内山 4.(三)南保 5.(右)竹谷 6.(投)奥川 7.(中)鯰田 8.(捕)山瀬 9.(二)山本 後攻・済美 1.(二)矢野 2.(遊)中井 3.(捕)芦谷 4.(三)池内 5.(一)伊藤 6.(投)山口(直) 7.(左)山田 8.(右)近藤 9.(中)政吉 試合結果は以下の通りである。 星稜 501 010 002 000 2 =11 001 000 080 000 4×=13 済美 ※延長13回からタイブレーク(無死一、二塁) [星] 安打:15 三塁打:南保(3回) 二塁打:竹谷(1回) 山瀬(1回) 鯰田(8回) 投手:奥川(4回)⇒佐藤(2回)⇒山口(1回)⇒竹谷(0回1/3)⇒寺西(0回2/3)⇒寺沢(4回0/3) [済] 安打:14 本塁打:政吉(8回) 矢野(13回) 二塁打:政吉(3回) 芦谷(12回) 投手:山口(直)(13回) ■1回表(星稜の攻撃) 1死から二番・河井が左前安打で出塁。三番・内山は四球。四番・南保の右前タイムリー安打で1点先制。さらに、五番・竹谷が右中間を破るタイムリー二塁打を放ち2点追加。六番・奥川は右飛。七番・鯰田の右前タイムリー安打で1点追加。八番・山瀬の左越タイムリー二塁打で1点追加。星稜が済美のエース山口の立ち上がりを捉えて、5点を先制した。 ■3回表(星稜の攻撃) この回の先頭打者である四番・南保が左越三塁打で出塁。五番・竹谷の打席の間に暴投で1点追加。 ■3回裏(済美の攻撃) 1死から九番・政吉が左越二塁打で出塁。一番・矢野が送って、二番・中井の左前タイムリー安打で1点を返す。 ■5回表(星稜の攻撃) 3回に続いて、この回の先頭打者である四番・南保が中前安打で出塁。五番・竹谷は二飛。六番・奥川が送って2死二塁とする。七番・鯰田の遊ゴロがショート悪送球(カメラマン席に入る)となり、二塁ランナーが生還して1点追加。 この段階でスコアは[星稜7-1済美]である。球場にいるほとんどの人々(私を含め)は、星稜のワンサイドゲームだと思いながら試合を観ていたであろう・・・ この回から星稜は投手を交代。先発したエース奥川が右ふくらはぎをつったためである。2年生ながら好投手の呼び声高い奥川であったが、予期せぬ緊急降板となった。なお、二番手の佐藤が出塁を許すも無失点に抑えた。 星稜・奥川、無念の緊急降板「最後まで投げたかった」/甲子園(サンスポ) ■8回裏(済美の攻撃) この回から星稜は、ライトを守っていた竹谷が四番手として登板。九番・政吉が死球で出塁。一番・矢野の打球を投手が弾き内野安打。二番・中井の左前タイムリー安打で1点を返す[星稜7-2済美]。三番・芦谷は左直。四番・池内の左前タイムリー安打で1点を返す[星稜7-3済美]。五番・伊藤の中前安打で1死満塁。六番・山口(直)の死球押し出しで1点返す[星稜7-4済美]。ここで、星稜は1年生寺西を五番手としてマウンドへ送る。七番・山田は一飛。八番・武田のセカンドタイムリー内野安打で二者生還[星稜7-6済美]。九番・政吉のレフトへのスリーランホームランでついに逆転[済美9-7星稜]。 ■9回表(星稜の攻撃) 1死から三番・内山が右前安打で出塁。四番・南保も右前安打で一、二塁。五番・竹谷の中前タイムリー安打で1点返す[済美9-8星稜]。六番・代打西岡は三振。七番・鯰田の左前タイムリー安打で同点に追いつく[済美9-9星稜]。 ■9回裏(済美の攻撃) この回から星稜は六番手の寺沢が登板。三者凡退で攻撃終了。9-9の同点で延長戦に突入。 ■12回裏(済美の攻撃) 三番・芦谷が右中間二塁打で出塁。四番・池内が敬遠。五番・伊藤が送って、六番・山口(直)が敬遠で満塁。七番・代打徳永が三振。八番・武田も三振。徳永・武田ともにスリーボールまでボールが先行して、あわや押し出しかと思ったが寺沢が粘り強いピッチングを見せた。これで、今大会2度目となるタイブレーク突入となった。 ■13回表(星稜の攻撃) 今大会におけるタイブレークは、無死一、二塁、打順の選択はできない前の回からの継続打順でのスタートである。一番・東海林が一ゴロで1死二、三塁。二番・河井の三ゴロが野選(バックホームセーフ)となり、1点勝ち越し[星稜10-9済美]。代走で出場してそのまま守備についている、三番・佐々井のスクイズで1点追加[星稜11-9済美]。四番・南保は遊ゴロで攻撃終了。 ■13回裏(済美の攻撃) 九番・政吉のサードへのバントヒットで無死満塁。一番・矢野のライトポール直撃のサヨナラ逆転満塁ホームランで試合終了[済美13×-11済美]。 タイブレークそのものは、明治神宮大会や大学野球選手権などで観戦しているため見慣れている。しかし、地方大会を含め自身初の夏の選手権大会におけるタイブレーク観戦が、このような高校野球史に残るであろう試合になるとは思ってもいなかった。 星稜にとっては先発奥川の緊急降板が計算外であっただろう。石川大会で10イニングを投げた竹谷が済美打線につかまり、結果的に苦しい継投・試合展開になってしまった。しかし、9回表に同点に追いついたシーンは「逆転の星稜」の代名詞通りの攻撃であったと思う。また、8回裏・9回表と点の取り合いになったにもかかわらず、9回裏~12回表まで三塁にランナーが進まなかった(そのうち、三者凡退が4回)。打撃戦が延長戦に入ると急に試合がおとなしくなることは稀に見られるが、まさに打撃戦の面白さが凝縮された試合だったのでは、と感じている。
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by hi90209
| 2018-08-23 21:26
第100回全国高等学校野球選手権記念西東京大会 決勝戦
於 明治神宮球場 2018年7月30日 曇一時晴 10:13~12:49 日本大学鶴ヶ丘高校と日本大学第三高校による西東京大会決勝戦。 日大鶴ヶ丘はMAX152キロの勝又を擁し、ノーシードから勝ち上がってきた。対する、日大三は昨秋・今春と都大会を制して都内公式戦無敗の第1シードである。第1シードらしい力で圧倒する野球ではなく、しぶとい負けない野球で勝ち上がってきた。 以下は両チームの今大会の勝ち上がりである。 【日大鶴ヶ丘】 日大鶴ヶ丘10‐0清瀬(2回戦・6回コールド) 日大鶴ヶ丘6-5永山(3回戦) 日大鶴ヶ丘7-0明大明治(4回戦・7回コールド) 日大鶴ヶ丘19-15明大中野八王子(5回戦) 日大鶴ヶ丘3-2創価(準々決勝) 日大鶴ヶ丘7-5国士舘(準決勝) 【日大三】 日大三7-4杉並(3回戦) 日大三8-3豊多摩(4回戦) 日大三13-2駒大高(5回戦・6回コールド) 日大三8-6片倉(準々決勝) 日大三9-6東海大菅生(準決勝) 先攻・日大鶴ヶ丘 1.(左)中尾 2.(三)鈴木 3.(捕)齋藤 4.(中)小林 5.(投)勝又 6.(一)中島 7.(二)菅原 8.(遊)金野 9.(右)渡辺 後攻・日大三 1.(三)金子 2.(二)木代 3.(遊)日置 4.(右)大塚 5.(投)中村 6.(一)佐藤(コ) 7.(左)小沢 8.(中)柳澤 9.(捕)佐藤(英) 試合結果は以下の通りである。 日大鶴ヶ丘 020 000 100 =3 200 010 002×=5 日大三 [鶴] 安打:9 二塁打:小林(1回) 投手:勝又(8回1/3) [三] 安打:7 本塁打:日置(1回) 大塚(9回) 二塁打:大塚(5回) 投手:中村(2回1/3)⇒河村(6回2/3) ■1回表(日大鶴ヶ丘の攻撃) 2死から三番・斎藤が中前安打で出塁。四番・小林が右越二塁打で二、三塁とする。ここで投打に注目を集める勝又が打席に入るが敬遠。六番・中島が一ゴロで、2死満塁のチャンスであったが無得点となった。 ■1回裏(日大三の攻撃) 一番・金子が四球で出塁。二番・木代が送って1死二塁。ここで、注目の三番・日置がレフトへのツーランホームランで2点先制。 ■2回表(日大鶴ヶ丘の攻撃) 1死から八番・金野が四球で出塁。九番・渡辺がサードへのバントヒット。一番・中尾が死球で初回に続いて満塁のチャンスを作る。二番・鈴木がセンターへの犠牲フライを放ち1点返す。さらに、三番・齋藤の左前タイムリー安打で同点に追いつく。 ■5回裏(日大三の攻撃) 一番・金子が四球で出塁。二番・木代が送って1死二塁。三番・日置は、日鶴サード鈴木のファインプレーに阻まれるも、四番・大塚の左越二塁打で勝ち越し。 ■7回表(日大鶴ヶ丘の攻撃) 三番・齋藤が四球で出塁。四番・小林が送るが、五番・勝又は三振。2死二塁から、六番・中島の中前安打で一、三塁とする。さらに、七番・菅原のタイムリー左前安打で同点に追いついた。 ■9回裏(日大三の攻撃) 二番・木代が死球で出塁。三番・日置は三振。四番・大塚が勝又の154球目をレフトスタンドに運び、ツーランホームランで試合終了となった。 日大三が同点に追いつかれてもリードを許さず、最後は四番の一発で試合を決めた。また、3回1死からロングリリーフを担った河村が、終盤に粘りのピッチングを見せた。特に、9回表には三者連続三振で流れを呼び込んだ。日大鶴ヶ丘のプロ注目のエース勝又は、日大三打線を相手に10三振を奪う力投を見せたが、あと一歩及ばなかった。しかし、この決勝戦でのピッチングは見事なものであった。 優勝した日大三は、5年ぶり17回目の全国高等学校野球選手権記念大会(夏の甲子園)出場となった。甲子園でも快進撃を続け、ベスト4に輝いた。西東京大会で見られた「負けない野球」を全国の舞台でも発揮していた、と甲子園のスタンドで4試合を観戦して感じた。
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by hi90209
| 2018-08-22 22:31
第67回全日本大学野球選手権大会 準々決勝 第1試合
於 明治神宮球場 2018年6月14日 曇 9:00~11:30 白鷗大(関甲新学生野球連盟代表)と 東北福祉大(仙台六大学野球連盟代表)の一戦。 以下は両チームの春季リーグ戦における成績・今大会における勝ち上がりである。 【白鷗大】 10勝2敗 勝ち点5 完全優勝 白鷗大3‐1中京大(2回戦) 【東北福祉大】 10勝1敗 勝ち点5 完全優勝 東北福祉大8‐3広島大(1回戦) 東北福祉大 不戦勝 東海大北海道キャンパス(2回戦) 先攻・白鷗大 1.(中)金子 2.(二)山田(和) 3.(左) 龍 4.(一)大下 5.(右)周東 6.(三)保立 7.(捕)渡邉(亮) 8.(指)ラミレス 9.(遊)友岡 P.山田(啓) 後攻・東北福祉大 1.(中)吉田 2.(二)中野 3.(遊)元山 4.(一)深江 5.(左)清水 6.(右)古川 7.(三)西山 8.(指)大西 9.(捕)笹谷 P.津森 試合結果は以下の通りである。 白鷗大 000 000 001 0 =1 100 000 000 1× =2 東北福祉大 [白] 二:龍(1回、6回) 投手:山田(啓)(2回2/3)⇒中村(5回)⇒大関(1回2/3) [東] 本:吉田(1回) 投手:津森(10回完投) ■1回表(白鷗大の攻撃) 2死から三番・龍が左中間二塁打で出塁。続く、四番・大下が中安を放ち、二塁ランナーの龍がホーム生還を目指すもホームタッチアウトとなった。東北福祉大の先発・津森は、サイドスローの右腕。球速もあり、打ちづらそうな印象だ。 ■1回裏(東北福祉大の攻撃) 一番・吉田がレフトスタンドへ先制先頭打者初球ホームランを放つ。 東北福祉大・吉田ショーだ!先頭弾&劇打/全日本大学野球(サンスポ) 「『(本塁打は)初球から狙っていた。最後は気持ちで食らいついた』と胸を張る吉田に、大塚監督は『吉田で始まり吉田で終わったね』と称賛。それでも、殊勲のリードオフマンは『日本一だけを見ている』と頼もしかった。」 [付記]吉田は後の決勝戦でも5打数3安打の活躍。最高殊勲選手賞を受賞した。 ■9回表(白鷗大の攻撃) ここまで津森は三塁を踏ませない見事なピッチング。一方の白鷗大も3人の投手の継投で初回の失点以降、得点を許さなかった。 追い込まれた白鷗大は1死から四番・大下が四球、五番・代打岡田が死球で出塁。ここで投手の牽制が悪送球、さらにカバーに入ったセンターも悪送球となり、白鷗大が同点に追いつく。 ■9回裏(東北福祉大の攻撃) 2死から七番・西川が中安で出塁するも、八番・大西が三振に倒れ無得点。延長戦に突入となった。 ■10回表(白鷗大の攻撃) 全日本大学野球選手権ではランナーを置いた状態で攻撃を開始する、タイブレーク制度が採用されている。今大会では無死、一、二塁から打順は継続打順で攻撃を開始する。 八番・代打小川が送りバントを試みるも、二塁ランナーが三塁タッチアウトとなり失敗。九番・友岡は二飛、一番・金子は死球、二番・山田(和)は二ゴロとなり、無得点で攻撃終了。 ■10回裏(東北福祉大の攻撃) 九番・笹谷が右安で出塁。無死満塁から一番・吉田がサヨナラ犠牲フライをセンターに放ち、試合終了となった。 東北福祉大が接戦を制して、準決勝進出を決めた試合となった。9回表に自らのエラーがきっかけで失点したとはいえ、先発した東北福祉大・津森が試合を作り、10回裏のサヨナラの流れを呼び込んだといえるだろう。この津森はこの大会での活躍をきっかけに、「第42回日米大学野球選手権大会」及び「第29回ハーレム・ベースボールウィーク2018」に出場する侍ジャパン大学日本代表メンバーにも選出された。東北福祉大はこの後、準決勝で慶應義塾大、決勝戦で国際武道大に勝利し、14年ぶり3回目の優勝をはたした。
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by hi90209
| 2018-06-28 17:59
第89回都市対抗野球大会東京都二次予選 第四代表決定戦
於 メットライフドーム 2018年5月31日 11:59~14:30 以下は二次予選における両チームの成績である。 【明治安田生命】 明治安田生命4‐2セガサミー(1回戦) 明治安田生命1‐6東京ガス(2回戦) 明治安田生命11‐1日本ウェルネススポーツ大学東京(第二代表2回戦) 明治安田生命3‐4セガサミー(第二代表3回戦) 明治安田生命3‐4東京ガス(第三代表決定戦) 【JR東日本】 JR東日本22‐2日本ウェルネススポーツ大学東京(1回戦) JR東日本4‐5鷺宮製作所(2回戦) JR東日本2‐3セガサミー(第二代表2回戦) 1点差、2点差の試合が多く、こうして成績を並べるだけでも白熱した試合が繰り広げられたのがわかるだろう。 第四代表決定戦は都市対抗本戦における東京都代表の4つの枠(+ 前年優勝のNTT東日本が推薦出場)をめぐる最後の戦い。 負ければ予選敗退となり、7月に東京ドームにて行われる本戦には出場できない。絶対に負けられない試合である。 先攻・JR東日本 1.(三)小室 2.(遊)東條 3.(左)長谷川 4.(一)丸子 5.(捕)渡辺 6.(中)佐藤(拓) 7.(指)中村 8.(右)近森 9.(二)嘉数 P.大澤 後攻・明治安田生命 1.(三)新城 2.(遊)木田 3.(中)宮川 4.(一)大野 5.(左)竹内 6.(右)泉澤 7.(指)小川 8.(捕)尾嶋 9.(二)吉田 P.古田 試合結果は以下のとおりである。 JR東日本 000 110 000=2 000 000 000=0 明治安田生命 [J] 本:長谷川(5回) 二:中村(4回) 近森(4回) 投手:大澤(6回)⇒太田(3回) [明] 二:泉澤(2回) 投手:古田(4回)⇒玉熊(2回)⇒黒萩(2回)⇒大久保(1回) ■1回表(JR東日本の攻撃) 先頭打者の小室がライト前ヒットで出塁。犠打や四球で2死一、二塁のチャンスを作るが無得点。先発の古田は変化球を武器に試合を作っていくタイプだろうか。 ■1回裏(明治安田生命の攻撃) 2死から三番・宮川と四番・大野がヒットで出塁するが無得点。両チーム、初回からチャンスを作るが得点できずという展開になった。先発の大澤はサイドに近いスリークォーターから鋭い変化球を投げ込む左腕。 ■3回裏(明治安田生命の攻撃) 打順が2巡目に入るこの回であったが、両チーム通じて初めての三者凡退に終わった。JR東日本は守りから流れを作ることができているといえる。 ■4回表(JR東日本の攻撃) 五番・渡辺、六番・佐藤(拓)がそれぞれ凡退したところ、2死から七番・中村が右中間二塁打で出塁。さらに、八番・近森が左中間二塁打放ち、JR東日本が先制した。 ■5回表(JR東日本の攻撃) 二番・東條が空振り三振。1死の場面で三番・長谷川がライトへソロホームラン。追加点でJR東日本が中盤の流れをつかむ攻撃をみせた。 ■7回裏(明治安田生命の攻撃) この回からJR東日本はピッチャーを先発の大澤から太田に交代。登板して1球目に150km/hを計測。最速は153km/hを計測した。遊飛、三ゴロ、三ゴロと三者凡退に打ち取り、JR東日本が終盤の流れを呼び込む。
■9回裏(明治安田生命の攻撃) 2点差で迎えた9回。明治安田生命は二番・木田から始まる。しかし、三直、遊ゴロとなり2死。あとアウト一つのここからJR東日本の雲行きが怪しくなる。四番・大野が四球、代打で出場してそのまま守備についている 五番・井村も四球、六番・泉澤は死球となった。あと一つの場面ではあるが、2点差で二死満塁。長打がでれば同点、逆転サヨナラとなる。ここで、JR東日本はセンターを拜崎、ライトを服部に交代して、万が一に備えて守備を固める。七番・小川は空振り三振。試合終了。 JR東日本が大澤から太田の継投で完封勝利。2点という決して多くはないリードを守り切るという試合展開となった。特に、7回から登板した太田の投球は衝撃的であった。彼のピッチングを見ることができただけでも、所沢まで出向いた甲斐があったと感じた。また、9回2死から3連続四死球は都市対抗本戦出場まであと一つ(敗れたら予選敗退)という緊迫した場面であり、最後まで目が離せない面白い試合であった。第89回都市対抗野球大会は7月13日(金)に東京ドームにて開幕する。
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by hi90209
| 2018-06-01 17:13
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